犬山城マイスター! たかまる。の、犬山城の見どころを『解体する』ウェブ

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たかまる。的、『犬山城、復元計画!』


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お城EXPO 2018

20181025221250

 
久々のブログ・・・
恐縮です(笑)
今回はでら長文です。
 
さて、先日ビッグニュースが入ってきましたね。
 
『犬山城跡、国史跡指定!』
 
なんて文字が新聞やウェブ上に踊りました。
 

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申請からわずか数か月で国史跡指定に答申された、犬山城跡。
 
 
で、今回指定された史跡犬山城跡と、国宝犬山城天守をマップにすると下の通りです。
 
 
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赤い部分が国史跡に指定される『犬山城跡』
 
 
こっから、国史跡犬山城跡の整備が進んでいくわけですが、
その計画を犬山市が作っているとは思いますが、
 
たかまる。が勝手に『犬山城、復元計画』を作りました!!!
 
 
これで、犬山城はすごいことになります(笑)
今日はそれを発表いたします!!!
 
今回のブログは、そんな話です。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

◆ 目的を確認しよう!

 
 
そもそも、何のために犬山城を復元するの?
 
「観光のためではない!」
これがたかまる。の考え。
だって、観光のために城があるわけじゃないから。
 
じゃあ、なんのため?
それは、「日本の歴史・文化を後世に残す」ため。
これ、よく言われること。
だけどよくわかんないんですよ。
それが何の意味があるの?って思っちゃう。
 
たかまる。的に言えば、
歴史というは、アイデンティティ。
日本の歴史を知るということは、日本人がどんなことを考えて、どんなことをして、
なんで今こういう日本になっているのかを知るということ。
ルーツ。
文化というのは、それが形として現れたもの。
 
それを知るということは、自分がなぜ今この世に存在しているかを知ることでもある。
おっと、なんだか哲学的になってしまいました(笑)
 
城は日本のアイデンティティのひとつ。
神社や、お寺や、山や、川や、富士山や、風景や、
そういったものも日本のアイデンティティ。
「日本」と言って連想するもの。
だから文科省・文化庁は、日本の重要な史跡として指定して保護しているわけ。
 
 
城は、日本のアイデンティティ。
それを当時の姿で残していくことが大事ということ。
 
 
犬山城を復元するのは、
『日本が、日本として存在するため』
 
です。
 
国宝である犬山城天守、そして今回国史跡となった犬山城跡は、
日本の宝。
日本の大事なもの。
日本のアイデンティティ。
 
そういうことです。
だから、犬山市も、犬山城白帝文庫さんも、犬山市観光協会も、その他の関係各所も、
お間違いのないように。
 
決して、観光のために国宝犬山城天守・国史跡犬山城跡があるわけじゃないですからね。
 
 

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国史跡に指定される犬山城跡。ここには国宝犬山城天守がそびえたつ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

◆ 犬山城、復元の流れ

 
話が長くなりました(笑)

ここからが具体的な話。
では、犬山城の復元はどういう流れで進めるのか?
ですけど、それは
昔の築城の段取りに沿って行う
のが理にかなっている。
ということに気づきました。
 
つまり、
 
① 地取
② 縄張
③ 普請
④ 作事
という流れ。

簡単に説明すると、むかしむかし、戦国時代~江戸時代。
城づくりが盛んな頃、
上のような流れで築城していたんですね。

地取・・・どの範囲にどの程度の規模の城を築くかを具体的に決めること。
縄張・・・曲輪、堀・土塁、櫓、門などをどこに配置するかを決めること。城の設計。
普請・・・縄張りに基づいて行われる土木工事。曲輪の造成、堀や土塁・石垣の構築など。
作事・・・塀、門、櫓などの上屋構造物を建てる工事のこと。
ということです。
 
 
犬山城の復元は、つまりは
犬山城を築城すること。
これに等しいです。
 
だから、昔の進め方にならって行うのが筋。
 
昔の工法で建物を建てるだけが復元ではなくて、
縄張➡普請➡作事
と進めて
城郭全体を復元すること
これが、本来やらなければいけないことです。
 
これを、犬山城の復元計画にあてはめます。
そうすると、
 
①地取
  史跡犬山城跡の範囲を決定し、指定を受けること。
 
②縄張
  犬山城復元整備の計画と設計。
 
③普請
  樹木の剪定。
  切岸・堀・土塁の復元整備。
  石垣の復元整備。
 
④作事
  門、塀、櫓などの復元建築。
 
ということになります。
 
先日、国の史跡に指定されましたから、
①地取は一旦完了。
いまは②縄張のステージです。
 
だから、たかまる。的、犬山城復元計画を作ったわけです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

◆ 犬山城を「縄張」してみる。

 
やることはいっぱいあります。
だけど、整理して、順番に進めていけば、必ずできます。
 
① 普請
 
現代で言うところの、土木工事ですね。
次の流れで進めましょう。
 
(あ)樹木の剪定
 
まずやらなきゃいけないことが、樹木の剪定です。
とにかく伸び放題のところが多い。
犬山城城郭がほとんど隠れてしまっています。
天下泰平の世になってからの城は、
『見せること』
が重要な役割でしたから、まずは見せること。
 
その中でも優先順位をつけていきます。
 
<あー1> 安全上問題のある樹木を剪定する。
<あー2> 石垣などを破損する恐れのある樹木を剪定する。
<あー3> 景観上問題のある樹木を剪定する。
 
この流れ。
で、これについては 「犬山城総合調査報告書」 に詳しく調査された結果が載っていますので、
こちらをベースに進めましょう。
歴史まちづくり課の川島さんが、がんばって調査してくれました!
 
剪定は、結構大胆にいきたいですね。
その辺りについては、機会があれば詳しくブログを書きますね。
 
 
(い)切岸・堀の復元整備
 
次に、犬山城本丸の東側には切岸があります。
西側には空堀・土塁と切岸があります。
これらを整備します。
しかも、見学できるように、通路とかも作る。
 
 
優先順位は、
 
<いー1> 本丸東側の切岸を整備する。
<いー2> 樅の丸南面+西面の空堀と土塁を整備する。
<いー3> 本丸西側の切岸を整備する。
 
そのためにも、樹木の剪定は必要です。
だって、隠れているところにあっても、意味ないでしょ(笑)
 
切岸、空堀・土塁のところは樹木が伸びているのと、
枯葉などを含む土砂が堆積しています。
 
なので、それらを除去して、形を整え、
安全に見学できるように整地します。
安全柵なども必要に応じて建てます。
 
あと、忘れていけないのが
案内板
です。
 
ここに何があって、どういう意味があって・・・ということを詳しく説明しましょう。
 
ここまでやるだけで、犬山城の雰囲気がだいぶ変わってくるでしょうし、
犬山城・城郭の規模がとてもよくわかるようになると思います。
そうすると、尾張藩・名古屋城の支城としての犬山城が
どういった位置づけの城だったのか、
どういう役割を持っていたのか、
この辺りが目に見える形でわかってきます。
もっと言うなら、
 
体験・体感できる!
 
ということですね。
楽しみです(笑)
 
 
(う)石垣の復元整備
 
これが一番厄介です。
なぜなら、工事しにくいところにあるからです。
急な斜面や、来場者が通るような場所。
しかも、明治以降に建てられた建物などがありますから、
そんじょそこらじゃ工事できない。
 
さて、どうしたものか。
きっと犬山市も頭を抱えていることでしょう(笑)
 
なので、これも優先順位をつけていきます。
 
<うー1> 本丸東面(七曲門~大砲櫓)の石垣整備。
<うー2> 本丸北面(千貫櫓~七曲門)の石垣整備。
<うー3> 本丸西面(千貫櫓~弓矢櫓~鉄砲櫓)の石垣整備。
<うー4> 本丸南面(鉄砲櫓~鉄門~大砲櫓)の石垣整備。
<うー5> 樅の丸の南面・西面(弓矢櫓~屏風櫓~黒門)の石垣整備。
<うー6> 杉の丸東面(大砲櫓~器械櫓)の石垣整備。
<うー7> 大手道(岩坂門~黒門~矢来門)の石垣整備。
<うー8> 水之手櫓、丑寅櫓の石垣整備。
<うー9> 桐の丸、松の丸の石垣整備。
<うー10> 大手門・大手二の門の石垣整備。
 
大きな方向性としては、
 
本丸の石垣整備が第一優先。
 
そのあと、杉の丸、樅の丸の石垣整備へ。
桐の丸、松の丸は、針綱神社や三光稲荷神社が鎮座してみえますので、
石垣整備と言っても非常に難しい。
<うー8>ですね。
どこかに移ってもらうわけにもいかない。
だから、時間をかけて整備計画を立てる必要があります。
 
本丸の中でも東側は切岸とあわせた防御システムを復元します。
<うー1>です。

これはワンセットと考えた方が良いでしょうね。
これが東側最大の防御システムだからです。
 
樅の丸南西面の空堀・土塁の整備に合わせて、同じ面の石垣整備も進めます。
<うー5>です。
これで西側の防御システムが体験・体感できます。
 
本丸から順番に整備していき、次第に山麓へ。
山麓に行けば行くほど、近代に建てられた建物などが増えるので
整備が難しくなりますから、ここいらで時間がかかることになるでしょう。
ここから先は時間をかけて整備方法を検討してきます。
それをやりつつ、作事を行いましょう!
 
 
(え)電線の地中化
 
忘れてはいけないのが電線です。
いわゆる 「城山」 にある電線は、出来るだけ地中化していきます。
当時の姿に近づけるというのは、こういう細かいところにも気を配らないといけないです。
戦国時代~江戸時代にタイムスリップして体験・体感しようとしているのに、
電線がいっぱいあってはその目的が達成できませんからね。
 
 
 
 
② 作事
 
普請のあとは、作事です。
現代で言うところの上屋建物の建築です。
つまり、

塀、櫓、門、天守などの建物
 
です。
犬山城は天守が現存していますので、その他の塀、櫓、門を復元していきます。
 
ただ、この作事は普請と併行して行うことが多くなりますね。
普請でできたところから作事を行う。といった具合です。
なので、作事の優先順位は建物ごとというよりも、エリアごとということになります。
 
 
(a)本丸東側・・・七曲門(復元)、多聞櫓(復元)、大砲櫓(復元)
(b)本丸北側・・・千貫櫓(復元)、七曲門~千貫櫓までの塀(復元)
(c)本丸西側・・・弓矢櫓(復元)、千貫櫓~弓矢櫓までの塀(復元)
(d)本丸南側1・・・鉄砲櫓(取り壊し&復元)、弓矢櫓~鉄砲櫓までの塀(復元)
(e)本丸南側2・・・鉄門(取り壊し&復元)、鉄砲櫓~鉄門までの塀(復元)
(f)本丸南側3・・・鉄門~大砲櫓までの塀(復元)
(g)樅の丸西側~南側・・・屏風櫓(復元)、弓矢櫓~屏風櫓~黒門までの塀(復元)
(h)杉の丸の東側・・・器械櫓(復元)、大砲櫓~器械櫓までの塀(復元)
(i)大手道1・・・岩坂門(復元)、御成櫓(復元)、樅の丸東側の塀(復元)、杉の丸西側の塀(復元)
(j)大手道2・・・黒門(移築 or 復元)
(k)大手道3・・・矢来門(移築 or 復元)
(l)大手道4・・・中門(復元)
 
本丸から順番に整備していき、次第に山麓へ。
山麓に行けば行くほど、近代に建てられた建物などが増えるので
整備が難しくなりますから、ここいらで時間がかかることになるでしょう。
ここから先は時間をかけて整備方法を検討してきます。
普請と同じです。
 
これをマップにしたのが下図です。
だいぶ大雑把ですし、見にくくてすみません(''◇'')ゞ
 
 

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たかまる。的、『犬山城、復元計画』の優先順位を図示すると、こうなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

◆ 犬山城復元の期間は?

 
まずは、ここまで。
これを
20年でやります。
 
 
細かく言うと、
 
①普請(あ)樹木の剪定・・・3年で終了。その後は継続して実施。
①普請(い)切岸・堀の復元整備・・・5年で完了。2023年度より見学開始。
①普請(う)石垣の整備<うー1><うー2><うー3><うー4>・・・樹木の剪定が完了次第着手。5年を目途に整備完了。
①普請(う)石垣の整備<うー5>・・・6年目より着手、3年で完了。
 
ここまででおよそ10年。
 
②作事(a)~(f)・・・10年目から着手。5~7年で順次竣工。
②作事(g)、(h)・・・10年目から着手。5~7年で順次竣工。
②作事(i)・・・15年目に着手。17年目に竣工。
②作事(j)~(l)・・・17年目から20年目で工事して竣工。
 
ここからは、今の時点では計画が立てられません。
なぜなら、針綱神社や三光稲荷神社やほかの地権者の方たちとの協議が必要だからです。
おそらく。
おそらくと書いたのは、たかまる。は市の職員でもなければ、そういった関係者でもない。
ただの一市民だからよくわからないのです(笑)
 
なので、そこは市の方針が出てからということになります。
でもね、これだけのことをすると、犬山城が大きく変わる。
というか、
犬山城の価値がどえらいことになっている。
 
まずはここまで!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

◆ 何のために復元するのか?

 
これをもう一度確認。
 
犬山城を復元する事業はとても大きい。
ビッグプロジェクトです。
目的を間違えたらえらいことです。
 
箱を作ればよいという旧来の公共事業ではない。
観光客を呼び込むためでもない。
 
『日本が日本たるために、お城を復元して残す。』
 
これです。
だから、犬山城が生きた教材にならなくてはいけない!
子供も、大人も、犬山城を体験・体感することで日本を知る。
日本人も、外国人も、犬山城を体験・体感することで日本を知る。
 
犬山城は、歴史を体験・体感する、生きる教材なのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで、今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
共感していただけた方は、ぜひ、たかまる。までご感想をお聞かせくださいませ(笑)
犬山市の関係者の方、参考にしてください(笑)(笑)(笑)
 
 

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犬山城の全貌が明らかになる日が見えてきた!
 
 
では、また!
 
 
 
 
 
 
 

2017年12月02日
たかまる。

 
 
 
 

  • 写真はすべて、たかまる。が撮影したものです。
  • 図はすべて、たかまる。が描いたものです。
  • 著作権などはすべて、たかまる。が所有しています。無断使用などは固くお断りします。

 
 
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